病期別の治療方針

がんの進行の程度によって治療方針が決定される

大腸がんの治療法には、内視鏡治療、手術治療、化学療法、放射線療法などがあります。どのくらいがんが進行しているかの目安となるステージ(病期)により、治療法が決定されます。

図1 ステージ0〜IIIの大腸がんの治療方針

ステージ0

がんが大腸粘膜の中にとどまっている状態です。多くの場合、内視鏡による治療で手術が可能ですが、大きさが2cm以上、または、内視鏡で切除しにくい場所にある時は外科的な手術を行います。なお、内視鏡や手術で切除したがんの組織を顕微鏡で調べ(病理組織検査)、粘膜下層に拡がっていると判断された場合は、リンパ節転移の可能性がありますので、追加手術を行うこともあります。

ステージI

がんが大腸壁にとどまっている状態です。粘膜下層の浅い部分にがんがとどまっている場合は、可能であれば内視鏡治療を行います。また、がんが粘膜下層の深い部分から固有筋層に拡がっている場合は手術となります。手術が行われる際は、リンパ節への転移の可能性を考慮して、リンパ節を切除する手術(リンパ節郭清)を行います。

ステージII

がんが大腸の固有筋層を越えて浸潤している状態です。リンパ節まで切除する手術を行います。

ステージIII

リンパ節転移がある状態で、再発予防のための術後の補助化学療法が奨められます。

ステージIV

肝臓や肺への転移などがある状態です。転移した場所や数によっては、大腸がんと転移したがんを全て切除できる場合がありますが、転移したがんを切除することができない場合は、大腸がんのみを切除し、転移したがんに対し、化学療法を行うこともあります。大腸がんも転移したがんも切除できない場合には、化学療法を行うこともあります。また、全身状態が良好ではなく、化学療法が適さない場合は、苦痛を取り除く緩和治療が優先されることもあります。

コラム 科学的根拠(エビデンス)に基づく治療

近年、科学的根拠(エビデンス)に基づく医療(Evidence Based Medicine:EBM)が重要であると考えられており、がんの治療においてもエビデンスをもとにした「標準治療」の実践が重視されています。「標準治療」とは「もっとも推奨される治療」という意味です。大腸癌研究会では、一般の方々を対象に、現状の大腸がんの「標準治療」をわかりやすく解説した「大腸癌治療ガイドラインの解説」(2006年版)を発刊しています。大腸がんの標準治療について勉強したい人にはお勧めの一冊です。