手術後の生活

手術後は徐々に日常生活が可能に

大腸がんの手術後は消化や排泄に関し、多少の異常を伴うことがあります。結腸を切除した場合、水分の吸収能力が低下し、下痢・水様便になることがあります。また、直腸を切除した場合は、便をためる能力や便を押し出す能力が低下することで、排便回数が増えたり、1回の便の量が減ったり、残便感を伴うことがあります。これらの症状は時間の経過とともに少しずつ回復し、術後の便通管理等が順調にできれば、仕事やスポーツなどの日常生活も可能となります。

また食事に関しては、術後3ヵ月間はごぼうなどの根菜類や海藻類などの食物繊維を避け、消化の良いものを摂るようにします。腸の回復とともに、食事制限はなくなっていきます。

人工肛門とはどんなもの?

人工肛門とは、人工的に造られた肛門のことで、結腸の一部などをお腹の壁に出し、便の出口を造るものです(図6)。一時的に造る人工肛門は、なんらかの理由で便が出なくなったときや縫合不全が起こったときに造ります。また、一部の直腸がんに対しては永久的な人工肛門を造ります。人工肛門を管理する方法には、ストーマ袋を貼って便を集める方法と、人工肛門からお湯を入れて大腸を洗い、ストーマ袋を貼らないで過ごす方法があります。

人工肛門をつけている場合、ストーマ近くの皮膚トラブル(排泄物の接着や細菌感染など)や、日常生活上の不安がありますが、適切なスキンケアを行うことで、皮膚トラブルを最小限に予防できます。また、日常生活のなかでは幾つか気に留めておくこともありますが、基本的には手術前と同じような食生活も可能となり、職場復帰や入浴も制限を受けることはなく、旅行に出かけることもできるようになります。人工肛門のケアで気になることがあれば、医師に相談してみましょう。

図6 人工肛門

再発予防のための定期検査も重要

がんは手術で完全に切除したと判断しても、数ヵ月後〜数年後までに再発する可能性があります。大腸癌研究会・プロジェクト研究の調査結果では、手術後の再発率は17.0%との報告があります。手術時のステージにより割合は異なりますが、ステージIの早期で治療した人でも3.7%に再発がみられることが報告されています。

大腸がんの再発は、他のがんと比べて治療できる可能性が比較的高いと考えられています。再発をなるべく早期に発見するためにも、手術後は定期的に検査を受けることが重要です。一般的にがんの完全消失の判断は、治療5年後の再発が基準の一つとなります。大腸がんでは、再発した人のうちの約95%は、治療してから5年以内に再発が発見されています。また、5年後以降に再発するものは手術例全体のうち1%以下です。これらのデータからも、少なくとも手術後5年間は定期的な検査を受けることが必要と考えられています。