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大腸の壁は幾つかの層が重なって形成されています。その最も内側は「粘膜」で被われています(図1)。大腸がんはこの「粘膜」部分から発生するがんです。はじめは一部の正常な粘膜細胞が発がん物質など何らかの影響を受けてがん細胞となり、時間の経過とともにがん細胞が増加します。そしてがん細胞が何兆という数に達すると「大腸がん」として内視鏡を通じて認識できるようになります。

現在、大腸がんの発生過程には2つの経路があると考えられています(図2)。1つは、ポリープと呼ばれる良性腫瘍(しゅよう)の一種(腺腫:明らかに正常とは異なるが、がんともいえない状態)から悪性化するがん、もう1つは正常細胞がいきなりがん細胞に変化して急速に進行するポリープと関係のないがん(デノボがん:de novoがん*1)です。大腸がんの多くはポリープの一種から発生すると考えられています。

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大腸がんは複数の遺伝子変異が重なり、発生すると考えられています。遺伝子に異常が起こるにつれ、正常の組織から腺腫となり、やがて、がんになります(図3)。近年の研究により、がんの発生・進展には多くの遺伝子の関わりが解明されてきています。大腸がんになる過程では、食生活や生活環境等の影響も複雑に絡み合っていると言われています。

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大腸がんは大腸壁の最も内側の粘膜で発生し、がん自体が大きくなっていくとともに大腸壁のより深い層まで到達していきます。そのことを「浸潤」と言います。最終的には大腸壁を突き破って広がります。さらにがんが進行すると、血管やリンパ管にがん細胞が侵入し、大腸から離れた臓器に「転移」するようになります(それぞれ血行性転移、リンパ行性転移と呼びます)。大腸の血液はまず肝臓に集まっていきますので、血行性転移では肝臓への転移(肝転移)が多く、続いて肺への転移も多いと言われています。一方、大腸壁を突き破ったがんが腹腔(ふくくう)内に散らばることもあり、これを「腹膜播種(ふくまくはしゅ)」と呼んでいます(図4)。

がんの進み具合を進行度(ステージ)といいますが、大腸がんの場合、がんの大きさではなく、がんがどの位「浸潤(しんじゅん)」している(深達度)かと、他の臓器への転移の有無と程度によって決定します。大腸がんの進行度(ステージ)は、以下に示すステージ分類が一般的に用いられています(図5)。

- *1:de novo とは、「初めから」、「あらたに」という意味のラテン語
