原因と予防 大腸がんの予防

大腸がん予防のために

国際がん研究機構(IARC)*1による評価では、大腸がんのリスクに関しては「過体重と肥満」は結腸がん・直腸がんのリスク因子として確実であるとし、ハムやソーセージのような「貯蔵肉」もリスクを高める可能性が高いとしています。一方で、大腸がん予防に関しては、「身体活動」が結腸がんのリスクを下げることを確実としています。

大腸がんを予防・早期発見する上で、大腸がん罹患リスクの高い生活習慣を改善すること、がん検診の対象になったら定期的な検診受診することが重要です。科学的根拠(エビデンス)に基づいた予防因子やリスク因子から「定期的な運動」は重要であると考えられます。「定期的な運動」は大腸がん以外の他のがん予防にも重要であるとされ、「日本人に推奨できるがん予防」の1つとして、「定期的な運動の継続。例えば、ほぼ毎日合計60分程度の歩行などの適度な運動、週に1回程度は汗をかくような運動」(表1)と厚生労働省からも推奨されています。

表1 現状において日本人に推奨できるがん予防法

  • *1:国際がん研究機構(IARC:International Agency for Research on Cancer)は、世界保健機関(WHO)の外部組織。1965年WHO総会にて、発がんのメカニズム、疫学、予防等の研究する組織として設立。

コラム 潰瘍性大腸炎と大腸がん

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜にびらんや潰瘍を伴う、原因不明の炎症性疾患であり、主に血便、下痢、腹痛などの症状を伴います。わが国では、欧米に比べ頻度は少ないとされますが、それでも毎年有病率は増加する傾向がみられ、現在8万人弱の患者さんがいると推定されています。潰瘍性大腸炎の発症は20〜30歳代で最も多くみられ、男女比は1:1で性別による差はみられません。通常、内科的治療によって症状は軽快しますが、その後、再燃(症状の再発)と軽快を繰り返しながら経過する場合が多く、長期経過に伴う大腸がんの合併が問題となります。発症して10年以上経過した場合は、大腸がんを合併するリスクが高まると考えられており、定期的な検査が必要となります。