![]()
がん検診は、無症状の健康な人ががんにかかっているかどうか発見するために行われます。大腸がんは早期発見できれば、治癒の可能性が高いがんの一つです。ただし、大腸がんの初期ではほとんど自覚症状はみられません。ですから自覚症状のないうちから定期的に検診を行い、早期にがんを発見しようとすることが重要です(図1)。

![]()
大腸がん検診では、便に混じった大腸からの出血を調べる「便潜血(べんせんけつ)検査」が行われます。通常これは目に見えないわずかな量を検出する検査です。自覚症状のない健康な集団から、大腸がんのリスクがある人を絞り込む検査(スクリーニング)です。大腸がんの死亡率減少効果において十分な根拠がある検査として認められています*1。
![]()
便潜血検査で出血の疑いがある場合は「陽性」と判断されます。必ずしも「陽性」=「がん」ではありません。陽性の結果は何らかの疾患の疑いがあるので、より精度の高い検査が必要となります。一般に大腸内視鏡検査が行われ、補完的に注腸X線検査が行われることがあります。
![]()
大腸内視鏡検査でポリープ等の病変がみられた場合、どういう性状の病変かを詳しく調べる必要があります(病理組織検査)。この病理組織検査によって、はじめて「がん」と確定診断し、その後の治療方針を検討します。組織採取方法としては、病変の一部を採取する方法(生検)や、病変を一括切除する方法(ポリペクトミーやEMR)があります。がんと診断された後は、治療方針を決定するために、がんの深さや広がり、転移の有無などを調べることが重要で、追加の検査(CT、MRI、超音波検査、PETなど)を必要に応じて行う場合もあります。
![]()
便潜血検査では、がんがあっても「陰性」と判断される場合があります。便潜血検査は血液の便の付着で調べる為、がんからの出血が止まっているようなケースでは、たまたま「陰性」を示すことが考えられます。一度「陰性」と判断されても過信をせず、もし後に前述のような症状がみられた場合には、医療機関を受診して相談しましょう。また、40歳以上の方は毎年定期的に検診を受けることが重要です。「陽性」と判断されて精密検査を受ける人はこれまで約60〜70%にとどまりますが、精密検査を受けない場合は大腸がんで死亡する危険が約5倍高くなります。「陽性」と判断されたら必ず精密検査を受けるようにしましょう。
- *1:有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン(平成16年度;厚生労働省がん研究助成金「がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究」班)より
